バルセロナの6月は音楽フェスの季節 Primavera Sound、Sónar Barcelonaレポート

2016-08-30

Toshinao Ruike氏によるバルセロナのフェスレポート

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「Primavera Sound」、「Sónar Barcelona」、「Cruïlla Barcelona」など、6月のバルセロナは数万人規模の音楽フェスが毎週のように開催される。今年で23回目を迎えた世界を代表するエレクトロニック・ミュージックのフェスティバル「Sónar」はかつて日本でも数回開催されていたので、日本でのSónarを記憶している方もいるだろう。旬のアーティストからレジェンドまで豪華なラインナップに加え、バルセロナの恵まれた天候、市内の交通の便の良さなどにより、若者だけでなく家族連れを含む幅広い観客層に支持されている。
 
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Primavera Sound Review

Photo : Toshinao Ruike

 
「Primavera Sound」の会場Parc Del Forum。近くにあるショッピングセンターの一角ではフェスティバルの常連たちが集まっていた。イギリス、ポルトガル、ドイツ、そしてスペインと各地のロックファンたちが年に一度Primaveraのためにバルセロナを訪れる。交流はフェス当日だけではない。FacebookやCouch Surfingなどを活用して、彼らは数か月前から注目の出演アーティストやチケット情報、宿泊先などの情報が交換されている。日本ではまだあまり知られていないPrimavera Sound Festivalだが、今年はRed Bull TVで中継されるなど、国際的に注目が集まっている。

The Avalanches @Primavera Sound

16年ぶりに活動を再開したThe Avalanches。復活第一回のライブはここバルセロナ。メンバーの一人がパスポートを紛失して入国できなくなるというトラブルに見舞われたものの、残り2名のメンバーで行ったサンプル主体のパフォーマンスは16年前と変わらず。最終日のDJセットでは、観客が大勢ステージにあがってメンバーと一緒に踊っていた。仕事が甘いスペインらしいが、セキュリティ達がすっかり仕事を忘れていたようで、5分ほど調子に乗った観客にステージが占拠されていた。
 

Peaches @Primavera Sound

Peaches 01HeinekenHidden Stage_DaniCantoPhoto : Primavera Official

 
Peachesのライブは、タブー視されてしまいがちな性に関係した表現がむき出しだ。ダンサーは女性器を模した着ぐるみで踊り、股間にシャンパンの瓶を挟んでステージから噴出させ、さらにそのシャンパンをオーディエンスの口に注ぐ。オーディエンスは喜んで踏みつけられながら、彼女を会場中央まで運ぶ。面白い、きわどい、楽しい、そういったセックスという行為が持つ側面を表現として堂々と取り上げ、美醜を越えて生々しくもなるが、わいせつか、芸術か、そんな線引きも無意味に思えるほど、突き抜けた素晴らしいショーだった。個人的には子どもに見せても構わないと思うほどだったが、性を公の場からできるだけ包み隠そうとする日本でこういったパフォーマンスを行ったら問題になるのだろうか、ショーを観ながらもそういう懸念が頭をよぎった。

Sigur Rós @Primavera Sound

Sigur Ros 06 H&M_EricPamiesPhoto : Primavera Official

 

Sigur Rósによるアイスランドの自然のダイナミズムを思わせる演奏に合わせた壮大なヴィジュアル。半透明のアミッド・スクリーンと格子状のフレームへのプロジェクションを行う演出はロック系のフェスティバルで目にすることがまだ少ない。Jonsiのボーカルは息継ぎをせずに、気が遠のくくらい長く歌い続ける。一体いつまで続くのかと、19万人を収容する人でいっぱいの会場が静まり返った。
 

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